Jean Prouveによる熱帯建築についての本です。
自然換気などパッシブな設備装置を内蔵した熱帯地域のためのプレファブ住宅の図面や解説が掲載されています。
通気のためにデザインされたグリルやパンチングの扉、可変式のブリーズソレーユ(日避けルーバー)、規格化された建設部材など、プロダクトとしての完成度が高いです。
Prouveは日本で家具が販売されているので家具デザイナーとしてご存知の方も多いと思いますが、換気や日よけ機能をユニット化したビル外装のデザイン製作など建築のプロダクト化を多くおこなった建築家でもあります。
Prouveはフランス人で、この熱帯建築はフランスが植民地にしていた西アフリカ向けに1940年代に開発された建築モデルです。実際にコンゴとナイジェリアにプロトタイプが建設されました。
同じフランス植民地だったインドシナ(今のベトナム、ラオス、カンボジア)向けのモデルもつくってくれていればと思いますが、ベトナムもアフリカと同じ熱帯地域ではあるので当地でこの住宅がどのような居住性を確保できるか体験してみたいです。
[参考]La Maison Tropicale: From Failure in Niamey to Masterpiece in NYC https://failedarchitecture.com/la-maison-tropicale-from-failure-in-niamey-to-masterpiece-in-new-york/
ぜひ体験したいと思ってましたが10年ほど前にNew York、London、Parisのポンピドゥで展示がされていたようです。2007年、この住宅のプロトタイプがニューヨークのクリスティーズで500万ドル(約5億円)で落札されたとのことです。
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